水平社にかかわる学習をして・・・生徒の感想を読んでいると、自分を好きになることの大切さを感じてくれているのがうれしいですね。私も自分とつながる人や物が嫌いだった時、自分に自信がなく人に合わせていた人間でした。このＨＰでたくさんの出会いがあり、自分に自信がない、誇りに思わない、思えないことが自分の心に差別の心を生み出すことを学びました。そして、一番悲しい「自分自身を差別すること」であるのです。「自分とつながるすべてのものがあって今の自分があるんや。自分ってええなぁ！」解放されるってこんなことなんですよね。

　奈良での水平社についての人権学習について、生徒たちもまとめをしております。そのまとまったものをクラスで発表している姿を見させてもらいました。やはり、現地での聞き取りや実際に目で見た学習は教室でする学習より何倍もインパクトがあったようです。自分と重ねて考える感想を聞くとこれまでの人権学習の教師集団の方向性（自分のための同和教育）を感じました。

　小テストで合格できなかった子を放課後集めて、再テストをしました。前日５時間も勉強していた子など必死で覚えていた生徒がたくさんいて「すごいなぁ」を連発しての採点でした。最初のテストでは、０点に近かった子が自信ありげに「今採点して！」と・・・結局２０点くらいだったのですが、満足そうな顔。「じゃあ、終わってから勉強するか？」と言うと、他の子が全員帰ってから、何人かと勉強会となりました。説明ひとつひとつに「へぇそうか」とつぶやき・・・まだその子の生活まではわかりませんが、「わかりたい」という願いがひしひしと伝わってきました。勉強にしてもなにも見通しを感じるといい顔を見せてくれます。

　被差別の解放から始まった同和教育から加差別の解放へ・・・そして、差別を生まない街づくり、環境作りへと進みつつあります。その一つとして、様々な方と地域で人権にかかわるイベントを作り上げることにもかかわっています。確かに子どものようにすぐに反応が返ってくるものではありませんが、「また一緒にしたいね」というスタッフとのつながり、「また参加したいね」という参加者の声ひとつひとつを大切にしていきたいですね。

　昨年勉強に向き合い始めたＡ君が、昼休憩に「勉強教えて！」とやってきました。去年は私のクラス。今年は授業でさえかかわりのない子です。でも、「がんばれ！」「今のままでは高校にもいけんぞ！」「だから鉛筆をちゃんともってこい！」と言ってくれた仲間がいました。だから「最近がんばってないよな！？」と言うと「そう！どうしよう？」と言える。いつも自分のなまけ心との戦いができるようになってきている子です。頑張れ！