部落出身の彼との結婚でお悩みの女性と少し前からメールでのやりとりをしています。部落出身を隠すことが差別を許すことになることをご理解いただき、ご自分の刷り込まれた差別意識にお気づきになり、戦いたいと考えておられました。しかし、現実の近くの幸せをつかみたいと悩み苦しみ、本当の解決にはつながらないとはお分かりではありますが・・・悩んだあげく・・・おかしいことは承知の上、あえてこんな質問をさせてほしい・・・と聞かれました。「どうやったら部落出身を隠せるのでしょうか。」・・・次回へ続く・・・

　・・・前回より続く・・・
　彼女は、「どうやったら部落出身を隠せるのでしょうか。」と聞くことは本当の幸せ、解決のために間違っていることは知っているのです。しかし、できるだけ早く彼をとる（その後、親を説得していく）手段としてこう聞いてしまったのです。・・・ここに差別社会の厳しさがあり、彼女が悪いのではなく、「差別」がこう質問させたのですよね。けど、こう質問することにより、一時的にでも、彼に彼の親を否定させることになり、「彼の親」と「彼」を切り離してしまうことになるのです。

　大手住宅メーカーの積水ハウスに勤務する在日韓国人の徐文平さんが、「差別発言で傷つけられた」として、大阪府内の顧客を大阪地裁に提訴した。積水ハウスは「雇用管理や社会的責任の観点から支援していく」として、訴訟費用の負担や、裁判に出席する間を勤務時間と認めるなどの措置を取る方針。原告側代理人によると、社員が受けた差別発言をめぐり企業が訴訟を支援するのは異例という。
　単なる金銭的利益だけを追求してきた傾向にあった事業主が、２１世紀には、本当の会社の利益とは何なのかを追求するようになってきています。社会貢献や労働条件の整備・保障こそが本当の会社の利益につながるのですよね。

参考（「２１世紀の生き方と同和教育」http://homepage1.nifty.com/hiroshi127/sub3-23.htm）
　社会では、人権を無視すれば、労働者の働きやすさは減少します。また、社会的にも、解放されない人々が犯罪や貧困を引き起こし、物質的にも精神的にも豊かな生活は望めません。そういう中で、広い視野を持っている企業ほど、研修制度の確立など人権の大切さを認識しています。企業利益の考え方が大きく変わってきています。一生懸命がんばれることを肉体的にも精神的にも阻害していたものを排除し、働きやすさを求めること。また、商業主義に陥ることより、環境、安全や暮らしやすさを追求すること。

　夏休みに横浜の寿町に行ってきました。行くきっかけになったのは、人権情報ネットワーク「ふらっと」で、寿町の識字学級のことが取り上げられ読ませてもらったことに始まります。それから、ネットでの「ようこそ！寿へ」の管理者ふうちゃんさんとメールでのやりとりをさせてもらいました。そして、ぜひ行ってみたいと思い、突然、寿町を歩いて、寿町生活館までたどりつきました。

　一本大きな道を渡り、寿町に入ると町の様相が変わりしました。昼間からお酒を飲んでいる人たち、道端でテレビを見ながら競馬、競艇に興じる人、さらには、お酒を飲んで道路の真ん中で倒れていた人もいました。その倒れていた人は、私から見れば「救急車を呼ばないと・・・」と思いましたが、地元のおじさんがその倒れていた人のそばにより、顔を覗き込み、大丈夫だと感じたかのように普通に立ち去っていきました。すべてが驚きの風景でした。