８年前ホームページ開設したきっかけは、実は、単に差別への怒りだけではありません。あのころは、ただ同和教育で自分のクラスの子どもを育てるのが楽しいと感じていただけの自分でした。しかし、それでは、次の年クラスがばらばらになり、別のクラスでは、がんばらせてもらえない子どもの姿を見て、全体で同和教育をする必要性を感じたのです。そういう憤りが大きな力となりホームページ開設へとなったのを覚えています。
　そして、このホームページで全国のさまざまな方との出会い、そして、実際に全同教やその他での出会いに元気をもらい、今の自分があります。この８年間に感謝しつつ、これからも「私のための同和教育」にこだわりつづけていきたいと思います。これからもよろしくお願いいたします。

　いつも教室で昼食をとっているんですが、先日「先生、アドボ食べて。」と生徒が持ってきてくれました。アドボとは、フィリピンの煮込み料理です。その子の母親とは、私がアドボを作って食べたことがあるなど、アドボのことで話したことがあったのです。その子は、母親の姿から自分がフィリピンにルーツを持つことを自然と受けとめています。

　人権教育の研究集会に参加しました。２００２年３月の地対財特法の失効により、法律上の同和行政の終了となりました。そうなると、よりどころがなくなり、「見通し」がなくなり、不安の中での模索となります。参加した研究集会で、単に「心がけ」や「感動もの」ではなく、過去の同和教育の教訓を大切にしながら「見通し」を作ろうとする姿にホッとしました。

　差別行為は、差別をした人の過失や心がけの問題ではなく、なぜその人が差別をするにいたったのかという社会のしくみを追及していかないと本当の解決にはならないのです。だから・・・差別をしてしまう社会の仕組みを見抜いて、ぬくもりで、差別をする人とつながって、差別をしない側にもっていくこと。ある講演で、結婚差別を受けた男性のお母さんから学びました。

　夏休み中の子どもたちの姿を見ると、本当にイキイキしています。勉強や生活の中にある「がんばる」というプレッシャーから解き放たれた解放感を感じます。もうすぐ学校生活が始まります。「がんばる」というプレッシャーの後にある解放感を学校では感じさせたいですね。