あるバラエティ番組で、子どもが親の怖さを感じなくなったという悩みに答えて、腕ずもうをさせるというものがありました。
　教員をしていると、怖い、叱られるから言うことを聞く子どもも多くいます。しかし、それだけでは、子どもは変わりません。ぬくもりで接して子どもが変わったときが本物なのです。

　「体力的な力」では、必ず子どもが親を追い越す時が来ます。しかし、子を思う思いでは、いつまでたっても、親を超えることができません。「ぬくもりの力」と言えます。
　いつか必ず親に勝つ「体力的な力」は、そんな親を支え守るために使ってほしいですね。それが「ぬくもりの力」をつけることにつながります。そして、自分が親になった時、「ぬくもりの力」を存分に使ってほしいものです。

　「体力的な力」に頼っていると、将来、怖いから力が強いからと集まってきた人たちは、逃げていきます。いつか必ず「体力的な力」は、自分の親のように衰えていくものですから。

　中学生が、水平社宣言をまず理解するために、書き下し文を読みました。その後、原文を見せると、意味はわからない部分もあるけど、すごさを感じていきました。それは、怒りでもあり、本気さでもあり、そして、力強さを感じ、「これを読みたい。」と。中学生がそれを何度も練習し、暗唱して堂々と読むと、それを聞いた大人が差別の不当さと怒り、そして、生きるひたむきさと強さを感じ、大きな勇気をもらいました。

　同和地区出身の子どもが、今自分がなぜみんなの前で堂々と語れるのかを伝えてくれました。親の姿、友達の真剣に伝えたことを聞く姿、人権学習をがんばる姿があるから今は平気。でも、やっぱり伝え終わったら、ほっとしたと。それが元気とまた、伝えていくエネルギーになるのでしょう。