まったく授業に出てないクラスのある男の子が話してくれました。彼は、以前友達や学校外の人へ暴力をふるい大きな事件を何度か起こしたことのある子です。家庭的にもしんどいことや、今自分の感じていることなど、話してくれました。
　児童相談所の人が、時間をかけて話していたようです。そこで、自分を伝えることで、自分を振り返り、自分の位置を見つけ、これからの自分の方向性も語ることで見つけていったようです。だから、彼は、自分のこれまでの非行歴を堂々と、自信を持って語ります。「俺はバカだった。でも、そんな俺だから、これからは強く生きていけれる。」と。
　自分を語ることは、自分を見つめることであり、強くなれることの一つの証明です。

　運動会に向けて、どんな運動会にしたいのか、子どもたちに書いてもらいました。それらを伝え合うと、少しずつ変化が現れます。リーダー的な子が、声をかけるようになります。なかなか集中できない子も、仕方なく動き始めます。
　本番では、円陣を組み、声を出し合ういいクラスのように見える（笑）ようになってきました。

　今年仲間づくりの視点、切り口として、「クラスで頑張らせたい子をどうほかの子とつないでいくか、その子の姿を検証軸にしよう」を合言葉にしてきました。夏休みには、校内研修において、ＱＵの結果を参考に小グループで語り合い、９月には、運動会での取り組みを話し合いました。
　まだ簡単に結果はでないでしょうが、「この子を・・・」という視点での取り組みは、必ず学ぶものは大きいと思います。同和教育の視点です。

　中学生に「人権学習が大好き」というテーマで話をさせてもらいました。その中である中学生が「周りが変わっていなくても、自分自身が変わっていたらいいのかなと思いました。」と感想を寄せてくれました。「自分が変わってうれしい。」と心から思える経験をぜひ、中学校の間にしていってほしいですね。

　中学生にこんな話もしました。
　昔は重たい「荷物」だったと感じていた家族が、実は、家族がいたから今の自分の感じ方も含め自分があるのだと気付いたとき、「荷物」ではなくなり、むしろ、自分の「宝物」になったのだと。
　それを、聞いてたある中学生が「自分もがんばりたい」と感想を寄せてくれました。その子も「荷物」を背負っている子です。