入試の結果が出るのが近づいてきて、その男の子は、じっとしておられません。注意され、暴言を吐いたり、いろいろなところをけったりと我慢できません。そういえば以前、部活の試合や入試の前になると、落ち着かず、しまいには人をかまって、トラブルとなる子もいました。特性なのでしょうが、ほおっておくのか、声をかけ続けていくのか・・・数年後のその子にとって、どっちがいいのでしょう？

　様々な人権課題がありますが、協働をしていくことが大切です。お互いの問題や解消への道を学び合い理解し合う関係が必要です。差別や人権侵害の結果は人によって表れ方は違います。しかし、進路保障や貧困解消の視点ではともに運動できるはずです。

　進路保障や貧困解消の視点でつながっていくことは、実はそう簡単ではありません。
　自分が学びや生活から逃げているのはなぜか、学力がつかないのはなぜなのか、自分の親がなぜ仕事にしばりつけられているのか、または、自分の親がなぜ仕事や生活からにげているのか、イライラしているのはなぜなのか・・・自分のせいではない、親のせいでもない・・・社会の中に理由があると自覚することが大切です。では、どうしたら自覚できるのでしょうか？

　自分が学びから逃げている、自分や自分の親が生活から逃げて荒れている・・・その理由は、社会の中にあると自覚できなければ、自暴自棄になったり、他の人にあたったり、他の人より優位なところを見つけて見下したり、けなしたり・・・他の人とつながれるはずはありません。
　他の人とつながって、自分に誇りを持って生きていくためには・・・

　差別の仕組みを学ぶこと（人権学習）、そして、困難と向き合って生きている人の前向きな生き方との出会い（講演会やフィールドワークなど）こそが、自分のせいではない、社会の中に理由がある、前向きな生き方って素晴らしい・・・そして、私は頑張って生きている、そんな自覚につながるのです。

　ほとんどの生徒が高校へ進学する中、高校、特に公立高校の姿勢に疑問を抱くことがあります。
　確かにに、法律などにより高校でも特別支援教育をすることや、それに伴い個別の指導計画などの引き継ぎも始まってきてはいます。しかし、定員に満たなくても不合格者を出す公立高校はまだあります。理由はどうあれ、受け入れて教育していくための公立高校だと思いますが・・・。