ある外国にルーツのある生徒が、保護者と一緒にルーツのある国の食べ物を販売するイベントに参加していました。その子が前日に学校で自慢そうに話しているのを聞いた担任の先生が私に教えてくれました。当日その子と出会い、食事を注文しました。笑顔で器に盛ってくれました。お金を渡すと「ありがとうございます。」と嬉しそうに伝えてくれました。その子の庭に少しだけ足を踏み入れた気がしました。

　教員不足が日本中で問題になっています。特に途中からの講師補充はなかなかむつかしいようです。４月から定員が確保されない学校もあるようなので大きな課題です。そもそも教員希望者がいないのは、やはり、超過勤務が当たり前の職場だからでしょう。様々な種類の学力検査は増えています。これは教育予算を取ってきていただいているという点では評価できます。しかし、その学力検査等が、分析やら評価、しまいにはその後の取組にどうつなげていくのか、それによりますます教育現場は忙しくなっています。その教育予算は教員増員や働き方改革に使えないのでしょうか。

　教員が疲弊し、休む、残った教員で教育にあたる、時間外勤務の多い教員が教育する。別の緊迫した世界では「徹夜した医者が手術をしているようなもの」です。
　さて、そんな教員に授業をさせてもいいものでしょうか？教員が声をあげることはこれまでもしてきていますが、声をあげた教員が時間管理能力がない、つまり仕事ができないと言われてそれ以上進みません。社会全体で声をあげてほしいですね。子どものため、子どもの人権のためです。

　また戦争。イスラエルとパレスチナのイスラム組織ハマスが衝突しています。
　報道によるといろいろな理由がありますが、いつも戦争で被害者となるのは、子ども、女性、高齢者、障害者など弱者と呼ばれる人達です。戦う理由を作る人達のせいで残ったら命が危険、逃げても生活ができなくなる・・・子どもたちはますます教育が奪われ、労働力となり、搾取され、希望や願いもなくなり、そして、その生活が第２世代、第３世代まで連鎖する。貧困と暴力の社会は続いていきます。何十年も、もしかしたら何百年も人権とはかけ離れた世界が続いていきます。考えるだけで恐ろしい。戦争反対！

　家庭環境でなかなか学校では対応しきれない子どもたちがいます。その子たちに自分の置かれた環境を自覚させ、前を向かせたい・・・しかし、学校から逃げ出していく子どもたちです。関係機関にお世話になるのですが、関係機関が本気でスピード感をもっていかないと、うまくいきません。うまくいかなかった子どもたちの行く末を考えると怖いですね。その子どもたちが親になります。同じことが起きるのでしょうか？連鎖を切るためにも、今の子どもたちにかかわり続けなければなりません。