私は在日コリアンです。朝鮮学校を卒業しましたが、最近、本籍地である韓国籍に変えました。北朝鮮の教育を受けてきましたが、別段愛国心があるわけでもなく無関心であったことは否めません。

しかし今、本当にそれでいいのか自分自身を問われています。韓国語で出版された「証言」という本を読み、認識を改めました。その本の著者は北朝鮮の収容場に入れられていた脱北者です。

彼女は今ワシントンに在住し、アメリカの保護の下にいます。それは命の危険があるからです。世界中の人権問題に関する会議にも連なっている人です。当然日本にも来たそうです。

日本では拉致問題で、北朝鮮に対する感心はなくなってしまいましたが、世界ではそうではありません。

収容場や監獄ではありえない虐待と、非人間的行いが横行しています。

その本は、英語には翻訳されていますが、日本語版はありません。とても残念です。何とかこれを日本語に訳し、多くの人に読んでもらいたいのです。経済援助をするのではありません。

人権が剥奪されている現状を、声を出して訴えたいのです。20世紀において、こんなに奴隷以下に扱われている国はないでしょう。

でもそれは非難しながら、小ばかにしながら、差別しながらはできません。本気で取り組まなくてはできないことです。私にできることはないか、毎日模索しています。まず、その本を読んでいただきたい。それから一緒に考えていきたいです。